新たに翻訳者として登録される皆様へ
序
この度は(株)ジャパン・トランスレーション・サービス (JTS) の翻訳スタッフに加わっていただき、ありがとうございました。心より歓迎いたします。JTS では、徹底した品質管理と翻訳作業のネットワーク化により、お客様へのきめ細かなサービスを目指しています。ことに翻訳者の皆様の果たす役割は大変大きく、作業を円滑に進めていただくために、当社の業務工程および翻訳に関する諸注意をここにご説明いたします。
業務の流れ
当社では英語⇔日本語をはじめとする翻訳全般を提供しています。翻訳⇒チェック⇒エディットの業務工程を経て、お客様に納品します。皆様の翻訳文は必ず当社でチェックします。それぞれ登録していただいている翻訳者・チェッカー・エディターの方々とモデムなどのパソコン周辺機器を介してファイルを交換し、当社で用語・表現・表記方法等の統一を図り、またその情報を蓄積・管理しています。
原則としてお客様ごと、またプロジェクトごとに翻訳者の方を設定し、お客様のご要望に翻訳文をより近づけるよう努めています。このため、訳文の最終稿をできるだけ翻訳者の方々へお送りし、お客様からの特別なご要望等も翻訳者の方にフィードバックしています。
また、用語集などを、翻訳者にできるだけ提供しています。ただし、JTS が提供する参考資料、特に語彙集は JTS の所有物なので、他と共有しないようお願いします。
原稿の受け渡し方法
翻訳依頼が入った時点で翻訳者の方々のご都合をお伺いした上で、原稿をファックス、郵便またはモデムでお送りします。翻訳は納期までに電子ファイルにして発注の際指定したアドレスに MIME-compliant file として送ってください。指定のないときは jts[@]jpntranslations.com に送ってください。
ファイル形式については、「ファイル名とファイル形式」の項を参照してください。
またモデム通信について不安のある方は、前もってお申し出下さい。テスト送信をして自信をつけていただけるよう協力いたします。なお、原則としてファックスによる納品を認めていません。ただし、他の通信手段の故障等による場合はこの限りではありません。
翻訳に当たっての諸注意
私どもの翻訳サービスは、前述の通り皆様の翻訳が基本となります。どうかプロ意識を持ち、すべての文章を吟味の上、正確な翻訳を心がけて下さるようお願いします。
翻訳文を日本語(または英語)としての自然な文章の流れにしていただくのは大変ありがたいのですが、原文の意味やニュアンスにない補足や説明は一切避けるようお願いします。むしろ原文の趣旨を十分に伝えられるよう心掛けてください。また、固有名詞や正式名称については、一般に入手可能な資料およびウェブ検索や当社が提供の資料でわかる範囲であれば各翻訳者で調べていただきます。必要に応じて当社で調べますので、問題の単語、文節を必ずワードの埋め込みコメントを使って知らせておいてください。これは、当社でチェックをする際の作業をより簡便かつ迅速にするためですので、必ず守るようにしてください。
固有名詞など、根拠となる URL を知らせてくれたり、その他下流の作業者に伝えたい事柄も大歓迎なので、埋め込みコメントの機能を存分に使ってかまいません。
文書のフォーマット
翻訳はすべて棒打ちにしてください。これは、納入していただく翻訳の文字数を正確に数えるためと、こちらでチェックをしてのフォーマット作業を容易にするためです。したがって、一字下げを除いたインデントや改ページページ替えの強制)、表組み等のフォーマット作業は、JTS から指示(依頼)がない限り、一切なさらないようお願いします。ただし、現文に表組みがある場合、タブキーを使ってタブ文字を入れてセル(フィールド)を区切ってください。
文頭のインデント(一字下げ)は、必ずタブを一つのみ使って、スペース(空白文字)キーを一つでも複数でも使わないでください。また、その他、文字揃え(中央揃え、右揃えなど)を調整するには、ワープロのそれなりの機能を使うか、全く調整しないか、のいずれにして、スペースキーによる調整を絶対にしないでください。
ファイル名とファイル形式
当社ではそれぞれの翻訳依頼に job number を付けており、これをファイル名の先頭(最初の8文字分)にも使っています。管理上の一貫性のため、翻訳者の方々にもこちらで指定したファイル名で納入していただくようお願いしています。作業を発注する際原稿ファイルを送りますので、納入時は、別指定がない限り原文のファイル名からJMS(日本語原稿)かEMS(英語原稿)などのxmsの部分を、 job number と同じファイル名に RAWか自分の名前の頭文字をつけて送信してください。取り扱いできるファイル形式と、それに対応する拡張子を次の表で示しますので、参考にしてください。
圧縮ファイルについても、文書ファイルには適切な拡張子を付けて、圧縮ファイル自体には圧縮ソフトを識別できる ZIPなどの拡張子を付けておいて送信してください。
文書ファイルの形式 | 拡張子 | 例 |
Microsoft Word97/98 以上 | DOC, DOCX | BAN14K029(toy man)_raw.DOC |
RTF (Rich Text Format: 書式付テキスト | RTF | DWT14C010(ABC_NR)_raw.RTF |
MS-DOS テキスト (ASCII or ANSI) | TXT | OTH13K077_raw.TXT |
MS-PowerPoint97以上 | PPT, PPTX | DPR15L089(News release)_raw.PTT |
MS-Excel97以上 | XLS, XLSX | IPR14K077(balance)_raw.XLS |
なお、上記以外のファイル形式の送付はご遠慮ください。
レート
登録時に経験および試訳の結果をもとにレートを決めさせていただいておりますが、これはあく までもスタート時のレートです。実際に何回か翻訳を納入していただいた上で、翻訳の正確さ、文の質、納期遵守、通信手段をどれだけ当社の希望にそった形で 行なっていただけるかを勘案し、適宜見直していきます。
仕事の量につきましては、どの翻訳者の方にも保証していません。力のある方で、当社のやり方にそって意欲的に仕事をして下さる方に優先的に仕事を回す、という方針を採っています。
カウント方法
お支払いの算出基準となるページやワード数のカウントは当社でさせていただきます。毎月のお支払い明細を翌月の 15 日をめどに電子メール(PDFファイル)で金額とともにページやワード数のカウントをお知らせします。
日訳の場合は、納入されたファイルをテキストファイルにしてそのバイト数を800で割った数(小数点第 2 位は切り上げ)をページ数とします。こう算出したページ数にページ単価を掛けて翻訳料を計算します。ちなみに、バイト数を800で割るのは、日本語1文字が2バイトに当たり 400 字で 1 ページと換算するためです。
英訳や、その他の欧文訳は、納入されたファイルをテキストファイルにしてそのバイト数を 6 で割った数(小数点第 2 位は切り上げ)をワード数とします。日訳同様、このワード数にワード単価を掛けて翻訳料を計算します。詳細はこちらをご参照。
いずれの場合も、余分なスペース(空白)、改行などのノイズ的な情報を取り除いた状態でカウントしますので、ご了承下さい。
なお、このカウント算出と料金計算方法を、経理上の一貫性や、全員に対する公平を確保するために、取り引き先すべてに対して適用していますので、例外を認めません。ご了承下さい。
支払い方法・時期
お支払いは、基本的に月末締めで翌々月 15 日にご指定の口座へお振り込みします。JTSの取引銀行以外の振り込み先については、特別合意がなければ銀行手数料を外注先負担とさせていただきます。お支払い日は、なるべく翻訳者の納品日より起算します。
また、海外の銀行口座しかお持ちでない方については、銀行手数料を最少に抑えるためにその月の支払い額により、お支払いを繰り下げたり、四半期毎に一括してお支払いする処置も採っています。ご希望を、お知らせ下さい。
なお、一部の仕事については、お客様との支払いサイクルに応じて翌月以降の計上になるため締めを延期させていただく場合も、一応ありますので、ご注意下さい。
税金の天引き
所得税の源泉徴収義務は、本人が日本に住むかどうか、また、法人であるか個人なのか、という事で決まります。国籍も関係ありません。日本在住の個人事業者について、10% の所得税を天引きすることが、国から義務付けられています。法人や、日本国外在住の方については、著作権の帰属などを絡んだ特定の例外を除いて、所得税の源泉徴収義務もなく、JTS では天引きをいたしておりません。
守秘義務
守秘義務は翻訳業の根幹をなす大事な要素のひとつです。当社からお渡しする原稿に含まれる情報の一切について、翻訳者の皆様には守秘義務を負っていただきます。守秘義務を犯した場合、JTS が単独に、または JTS と顧客とが共同で法的な手続きに訴え、また、違反した翻訳者・エディターなどの詳細を業界関係者に公表することもありうるので、くれぐれも厳守のほどお願いいたします。
信条的理由による依頼拒否
当社では宗教、政治理念などの信条的理由により、翻訳者が依頼を断ることを認めております。もし、このような信条に合わない依頼があった場合は、無理にお引き受けいただく必要はありません。お互いに気持ち良く仕事を進められるよう、ご遠慮なくお申し出ください。
なお、お断りいただいた仕事に関しても守秘義務があることをお忘れのないようお願いいたします。
納期に間に合わなくなりそうな場合
納期を厳守することは、翻訳業界の生命線のひとつといわれていますが、諸般の事情により仕事が遅れてしまうことは、誰にでもたまに起こることです。何らかなことで納入が遅れそうになった時は早めに連絡し相談してください。自分の裁量で他人に回さないで、JTS と協議して対策を一緒に練りましょう。
解らないものがあったら
また、どうしても解らない文面や事柄、読解困難な文書にぶつかって埒が開かなくなることは、誰でもたまに経験することです。そんなとき、上記の指示のように、その単語なり文節なりを、必ずハテナ二つ (??) で囲って明示して、とりあえず飛ばしてください。どうしても進められなくなったら、JTS に問い合わせる手もあります。
慢性的な滞納や誤訳への処置
前述のような止むを得ぬ滞納、ちょっとした誤解や能力不足による誤訳については、とりたてて問題にしません。しかし、習慣的な滞納や誤訳のある翻訳者も、時折見受けられます。
慢性的に滞納したり、遅れそうになっても連絡を怠ったりすると、JTS として何らかの処置をとらざるを得ません。特にお客様への納品が遅れてしまう場合は、その責任を翻訳者にも分担していただきます。ちなみにJTS の都合により納品が遅れる場合、50% を上限として二日遅れるごとに 10% 割引することをお客様に約束しています。そこで、翻訳者の無責任による滞納があった場合、遅れた日数に応じて翻訳料の減額をお願いすることもあります。
また、いい加減な解釈や習慣的な誤訳、あるいは力不足による誤訳が重なると、何らかの対策をとらない訳には参りません。不注意によって重大な誤訳があって、JTS に損害が生じた場合(たとえば、50% 以上の再訳が必要だったり、最終納期が遅れたりする場合など)、翻訳者に対して翻訳料の減額をお願いすることがあります。
習慣的な問題や、能力不足による誤訳など、努力で改善していけるものでは、レートを切り下げ てともに頑張っていただくことにします。なお、自分の得意でない分野の仕事や自分の心情などにそぐわない仕事、時間的に無理そうな仕事等を、引き受ける必 要はありません。「これは自分にはちょっと」と躊躇したくなるものについては、理由を述べてお断りください。
機材選びなどをお手伝い
JTS独自な用語集・資料を提供するとともに、翻訳や関連作業を助けるような辞書・書籍類や、ハード、ソフト両面にわたるパソコン機材などの選択をお手伝いします。ことにワープロソフトや辞書ソフト、通信ソフト、パソコン本体や周辺機器についてのご相談に応じます。設置と管理についてもお手伝いできます。
また、特に海外在住の方のために、日本語版ソフトの購入やアップグレード業務を代って行い、海外の住所へ発送します。海外で購入できない日本語の参考書なども、代って購入してお送りします。ご要望のある方はご一報下さい。
終わりに
当社では翻訳者の方々と機密保持契約書を取り交わすことになっており、二部をお送りします。両方にサイン・押捺の上一部をご返送くださり、また同封の「翻訳者登録用紙」にも捺印かサインをしてご返送ください。これにより、上記条件に同意しかつ遵守することを約束したとみなしますのでご了承下さい。
以上概略を説明させていただきました。ご不明な点等については、当社までお気軽にご連絡ください。また、忌憚のないご意見・ご提案などもお待ちしています。皆様と末永いお付き合いができますことを心より願っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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